石綿の処分について
アスベストを含む産業廃棄物には、特別管理産業廃棄物である廃石綿等と石綿含有産業廃棄物があり、飛散性の違いで分けられています。そして、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に、それぞれの処理の基準等が定められています。
石綿含有産業廃棄物
石綿含有産業廃棄物とは、「石綿を含有する産業廃棄物であって環境省令で定めるもの(工作物の建築、解体等で生じたもので、石綿を0.1%を超えて含むもの(廃石綿等を除く))」を言い、例えばアスベスト成型板(※)が解体工事により撤去され廃棄物となったものなどが該当し、通常の状態では飛散することがないものを指しています。
産業廃棄物の区分は、がれき類、ガラスくず等のうち石綿含有産業廃棄物に該当するものは、「がれき類(石綿含有産業廃棄物)」、「ガラスくず(石綿含有産業廃棄物)」の様に表記しなければなりません。
石綿含有産業廃棄物の例
スレート(波板、ボード)、パーライト板、けい酸カルシウム板、スラグせっこう板、住宅屋根用化粧スレート、ビニル床タイル、煙突用ライニング材、屋根折版用断熱材、石綿含有仕上塗材等
また、医療機器にも年式によっては石綿含有廃棄物に該当する部品を使用しているものがあります。
石綿含有廃棄物を使用している医療機器
移動型X線装置、自動現像機、イメージャー、眼底カメラ、滅菌機、赤外線治療器、牽引器、低周波治療器、マイクロ波治療器、歯科用ユニット、その他
石綿含有産業廃棄物の処理
産業廃棄物の処理に当たっては、産業廃棄物処理基準を遵守しなければなりません。(この基準は、排出事業者(元請業者)が自ら処理を行う場合も委託業者が行う場合も同じです。)
石綿含有産業廃棄物に係る主な基準は次のとおりです。
(1) 収集運搬
- 破砕することのないように行うこと。ただし、大きすぎて車載できない場合等やむを得ない場合には、十分に湿潤化したうえで必要最小限の切断等を行うことができる。
- 仕切りを設ける等、他の物と混合しないような措置をとること。
- 飛散しないよう、梱包、シートがけ等の措置をとること。
(2) 処分
中間処理は、知事等の許可を受けた施設での溶融又は国の認定施設での無害化処理等に限定されます。これ以外の中間処理(破砕、切断など)を行うことは原則禁止されていますので、溶融等を行わない場合はそのままの状態で最終処分を行うことが必要です。